みのり日記~発達支援あれこれ~

支援が必要なお子さまとご家族のための発達支援室「こども発達支援みのり」

学習支援あれこれ

目指す課題に取り組むときに 〜キーワードは【自信】〜

発達特性のあるお子さんに、取り組んで欲しい課題があるとします。その場合、いきなりそれをすると、なかなかうまくいきません。さて、どうしたらよいでしょうか? ୨୧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧ ✳️課題はプリントなどで準備します。 1枚あたり、あ…

課題の提示方法を変える ~見やすくするだけで~

特性のあるお子さんは、たくさんの情報を一度に提示されると、注目すべき場所に目が向きにくくなります。 これは、【刺激】の問題や【注意機能】の問題などが関係しています。 難しいことはさておき、実際に見てみましょう。 ୨୧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…

エンカレッジしてみよう ~成長をうながす励まし~

エンカレッジ【encourage】とは… 「ほめること」とほぼ同義語ですが 1.勇気づけること。励ますこと 2.発達などを促進すること …とも言われています。 ✴️エンカレッジは 経過をほめる 結果と関係なくほめる がんばったところをほめる ...という違いがあり…

プリント学習塾の開業説明会に参加して

先日、約3年前のSNSの自分の投稿に、「個別の学習支援と保護者支援ができるところを作れたらいいなぁ」と書いてあるのを見つけて驚きました。 その頃はまだ転勤族だったので、すぐに関西に戻るのだと思っていて、起業するつもりもなかったと思うのですが… 実…

読解力の謎⁉️ 〜スラスラ読めるのに内容がわからない〜

小学生のお子さんには、音読の宿題がよく出されますね。 今回は読解力についてのお話です。 ୨୧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧ 読むことが苦手なお子さんも多いと思いますが、スラスラ読めるのに内容を理解していないお子さんも一定数います。 親御さんに…

難しい漢字はカラーガイドを使おう!

カラーガイド〜色を使う支援〜 学年が上がると、習う漢字の画数が増えて、だんだん難しくなりますね。 発達特性のあるお子さんは、形や位置の認識が不得意な子もいて、特に漢字の書字に苦手意識を持ちやすいです。 ୨୧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧ 漢字…

困った行動への対処は視覚支援で

〜見てわかるマークを提示する〜 ☝️発達特性のあるお子さんに対しては、視覚支援が有効です。 ...とはいうものの、「どんな風にするの?」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。視覚支援は「見てわかる支援」なので、工夫次第でいろんなことに応用…

学習支援の必要性

〜学習とうまく付き合うために〜 子どもたちの生活において、学校という存在は大きなウエイトを占めています。学校では楽しい活動もたくさんありますが、学習という課題を避けては通れません。 努力しているのに学習についていけない、困っていてもSOSを発信…

「合理的配慮」って何⁉️

〜特性に合わせた支援についての法律〜 ✴️2016年から施行されている「障害者差別解消法」をご存じですか?正式名称は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」です。 内閣府の資料 https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/gouriteki_hairyo/pr…

計算の時に指を使うんだけど...⁉️

〜大丈夫です安心してください❣️〜 この時期、小学校に入ったばかりのお子さんがいらっしゃる親御さんからよく聞かれる質問があります。 「うちの子、算数の時、ずっと指を使って計算してるんですけど、大丈夫でしょうか❓」 結論から言うと、概ね大丈夫です❣…

その宿題は学習か作業か⁉️

〜上手に手を抜く?方法⁉️〜 お子さんたちの宿題、毎日たくさん出て、大変ですね特に、発達特性のあるお子さんの場合、なかなかスムーズに進まない...ということがあります☝️ ⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒ ☝️まず、宿題を分類してみます よく考えて取り組まないとでき…

学習性無力症とは

〜失敗体験が続くとヤル気をなくす〜 よく「学習性無気力」といわれることがありますが、正式な表現は「学習性無力感」といいます。「学習性無力感」とは、心理学者セリグマンが犬を使った実験から明らかにした現象です。人を対象にした同様の実験からも、同…

漢字のとめ、はね、はらいって重要⁉️

漢字の「とめ」「ハネ」「はらい」に悩んでいるお子さん、保護者の方は多いと思います。特に、漢字は毎日宿題に出されますし、テストもあります。気にしないようにしたくても、ノートに赤ペンで直しをされたり、テストの点数が悪いと気になってしまいます と…

ABAから考える逃避行動〉 〜宿題をしたくない子の行動〜

〜宿題をしたくない子の行動〜 ABAでは、問題行動の目的は4つだと言われています。 (以前の投稿を参考にしてくださいね) ①人・モノ・活動の獲得(要求の獲得)②逃避③承認・注目の欲求④感覚刺激 今回は、②逃避についてのお話です。 ⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒✳️宿題…

発達障がいと「注意」⑧

〜転換性注意の困り感と支援〜 「転換性注意」とは、複数の情報処理を切り替える注意機能のことです。いくつかの情報の処理を切り替えながら、交代におこなうときに使われるのが転換性注意です。 ⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒ 発達特性のあるお子さんは、注意の転換(…

発達障がいと「注意」⑦

〜分割的注意の困り感と支援〜 「分割的注意」はいくつかの作業に対して、それぞれ注意を分配する機能です。いわゆる「マルチタスク」を遂行するための注意で、私たちは普段無意識のうちにこなしているのです。 例えば... 音楽を聴きながら運転する 電話の通…

発達障がいと「注意」⑥

〜選択的注意の困り感と支援〜 発達障害のあるお子さんへの支援には、「注意」の仕組みを知ることが重要です。「注意」の意味については、過去の投稿をご参考になさってくださいね 今日は「選択的注意」の視覚に関する困り感と支援についてのお話です。 ⌒*⌒*…

発達障がいと「注意」⑤

〜選択的注意の困り感と支援〜 発達障害のあるお子さんへの支援には、「注意」の仕組みを知ることが重要です。 「注意」の意味については、過去の投稿をご参考になさってくださいね 今日は「選択的注意」についてのお話です。 * - - - * - - - * 〜選択的…

発達障がいと「注意」③

〜集中的注意に関する支援〜 発達障害のあるお子さんへの支援には、「注意」の仕組みを知ることが重要です。 心理学での「注意」は、目や耳、鼻、舌、皮膚などの感覚器官からの情報を処理する機能のことをいいます。 「注意」は主に4種類に分類されると、前…

発達障がいと「注意」②

発達障害のあるお子さんへの支援には、「注意」の仕組み知ることが欠かせません。 心理学での「注意」は、目や耳、鼻、舌、皮膚などの感覚器官からの情報を処理する機能のことをいいます。 * - - - * - - - * 〜主な4つの注意の機能〜 「注意」は、その特…

発達障がいと「注意」①

〜「注意」は情報の処理に関する機能〜 「注意」とは、認知心理学で扱う概念で、私たちがいつも使っている「注意」とは少し意味が異なります。 心理学での「注意」の意味は、「情報の処理に関する機能」のことです。 人は常に、目や耳、鼻、舌、皮膚などの感…

宿題をスムーズに進める支援⑥

〜目で見て、耳から聴いて〜 今回は漢字の覚え方についてです! 前回、カラーガイドを使って、漢字をパーツで色分けするとわかりやすい...とご紹介しました。 カラーガイドと同時に、絵描き歌のように、ことばでパーツの説明すると、更に効果的だと言われて…

宿題をスムーズに進める支援⑤

〜複雑な漢字にはカラーガイドを使う〜 今回も書字の支援方法のご紹介です。 漢字の書字で苦戦しているお子さんは、わりと多いです。特に、見た目が複雑で、どこがどんな風につながっているのか判断しにくい字は、一見しただけでは難しいようです。 漢字の場…

宿題をスムーズに進める支援④

〜視写課題はお手本を近くに置いてあげる〜 今回も書字の支援方法のご紹介です。 発達特性のあるお子さんは、ワーキングメモリの問題などで、目で見たものを一時的に脳に保持する機能が弱い場合があります。「見る=注目する」という力も弱かったりします。 …

宿題をスムーズに進める支援③

発達特性のあるお子さんは、宿題をスムーズに進めるのが難しい場合があります。 お子さんによって... ・国語は得意だけど算数は苦手 ・算数は得意だけど国語は苦手 . ..など、いろんなタイプのお子さんがいますよね。 今日は書字が苦手で、課題に取り掛かり…

宿題をスムーズに進める支援②

〜合間に別の活動を挟んで効率化!〜 宿題がスムーズに進まないお子さんの場合は、初めから合間に休憩を挟むことを伝えてから始めます。 そして、そのことを予定の表に記入します。予定表は手書きでも全然大丈夫です。ホワイトボードなどを利用してもいいと…

宿題をスムーズに進める支援①

〜取り組む順序を子どもが選択する〜 小学生の宿題の量、わりとたくさんありますよね。 大人から見ても偉いなぁと思います。 今回は宿題への取り掛かりが難しいお子さんの学習支援のお話です。 * - - - * - - - * まず最初にやるのは、予定を立てて見通し…

最近接領域の課題を、誰とやる?

〜支援者を見つけよう〜 発達の最近接領域を提唱したヴィゴツキーは、子どもの発達は、子どもを周りで支援する人たちとの関係性によって変化し、もっている能力以上の成果を出すことができることを示しました。 わかりやすくいうと、自分ひとりだけで取り組…

お子さんの最近接領域はどこ?

「発達の最近接領域」とは、「自分ひとりだけで取り組むには難しいけれど、誰かの手助けがあればできそうなこと」でしたね。 その領域に該当する課題をクリアしていくと、お子さんにとって望ましい成長が見込め、効率のよい学習ができる...といわれています…

ヴィゴツキーの最近接領域

〜支援があればできそうな課題〜 お子さんの学習支援において、非常に重要な視点として、「学習課題の難易度と量」の問題があります。 今回は「学習課題の難易度」についてのお話です。 ロシアの心理学者、ヴィゴツキーの研究に「発達の最近接領域」という考…