みのり日記~発達支援あれこれ~

支援が必要なお子さまとご家族のための発達支援室「こども発達支援みのり」

支援についての考え方あれこれ

スタッフ研修の講師依頼

2/18(金)、某児童福祉施設のスタッフ研修で講師を務めました。 今回は支援方法などではなく、傾聴と愛着形成、肯定的なかかわり方について講義をしました。 子どもたちとかかわるとき、専門的な知識や具体的な支援方法はもちろん大切です。それがわからな…

目指す課題に取り組むときに 〜キーワードは【自信】〜

発達特性のあるお子さんに、取り組んで欲しい課題があるとします。その場合、いきなりそれをすると、なかなかうまくいきません。さて、どうしたらよいでしょうか? ୨୧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧ ✳️課題はプリントなどで準備します。 1枚あたり、あ…

エンカレッジしてみよう ~成長をうながす励まし~

エンカレッジ【encourage】とは… 「ほめること」とほぼ同義語ですが 1.勇気づけること。励ますこと 2.発達などを促進すること …とも言われています。 ✴️エンカレッジは 経過をほめる 結果と関係なくほめる がんばったところをほめる ...という違いがあり…

条件つきの愛情は子どもを苦しめる

無条件の愛情は、ありのままを愛すること。 条件つきの愛情は、何かができたらもらえる愛情。 無意識のうちに、【条件つきの愛情】で子どもをコントロールしていませんか? ୨୧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧ ✴️【条件つきの愛】とは 「◯◯したら愛してあ…

テクノフェレンス 〜デジタル機器が育児に与える影響〜

「テクノフェレンス(Technoference)」という言葉が話題になっています☝️ 「テクノフェレンス」とは、デジタル機器の使用によって、メンタルに不調が起きることをいいます。 ୨୧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧ 子育てをしていると、うまくいかないこともあ…

1/16(日)ふらっとhomeに参加しました

1/16(日)14〜16時に操山公民館で開催された「ふらっとhome〜子育てトーク会」でファシリテーター役を務めさせていただきました。 今回は「子どもの心の声を聴く」シリーズの最終回で、共催しているたんぽぽの会の代表の後藤さんと、初期メンバーの先輩お母…

ピグマリオン効果 〜子どもを育てるプラスの関心〜

「ピグマリオン効果」とは、他者からの期待を受けることで、学習などの成果を高める可能性がある効果をいいます。現在は教育現場だけでなく、ビジネスでの人材育成にも活用されています。 アメリカの心理学者ローゼンタールがおこなった実験で、教師から期待…

プリント学習塾の開業説明会に参加して

先日、約3年前のSNSの自分の投稿に、「個別の学習支援と保護者支援ができるところを作れたらいいなぁ」と書いてあるのを見つけて驚きました。 その頃はまだ転勤族だったので、すぐに関西に戻るのだと思っていて、起業するつもりもなかったと思うのですが… 実…

二次障害って何⁉️

〜特性から生じる二次的な問題〜 発達特性のある人は、他人と比べて自分のできないところに注目してしまったり、うまくいかないことが重なったり、他人から非難されたりして自信を喪失することがあります。また、特性によりコミュニケーションが苦手で緊張や…

切り替えが難しいお子さんに〜予告と見通し〜

発達特性のあるお子さんは切り替えが難しい子も多いです☝️ ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんもADHD(注意欠如・多動症)のお子さんも、今やっている活動を途中で急にやめさせられる...ということは、かなり大きなストレスです 夢中で取り組んでいる時に…

指示出しは近くで簡潔に

〜遠くから呼んでもわからない〜 お子さんに指示を出すとき、あなたはどうしていますか? 発達特性のあるお子さんの場合、遠くから指示を出しても、よくわかっていないことが多いです。 それはなぜ⁉️ 注意機能の問題(注意の向け方が違う) 聞こえ方が違う …

不登校の子どもの権利宣言 〜東京シューレに通う子どもの強い思い〜

この権利宣言は、「東京シューレ」というフリースクールに通っていたメンバーさんたちが、不登校経験から「自分たちの思いを発信したい」というきっかけから、2009年8月に採択されたものです。 『子どもの権利』と『不登校』をテーマに、みなさんでわたくさ…

教育機会確保法を知っていますか?

お子さんの不登校に悩んでいらっしゃるご家族は、近年増えていると思います。 2016年9月、文科省はすべての学校(小・中・高)へ向けて、「不登校を問題行動と判断してはならない」との見解を通知しました。そして2017年には「教育機会確保法」が施行されま…

不登校は問題行動ではない! 〜文部科学省の通知より〜

文部科学省は不登校について2015(平成27)年1月に「不登校に関する調査研究協力者会議」を発足させ、下記の4つについて検討しました。 不登校児童生徒の実情の把握・分析 学校での支援の現状と改善策 学校外での支援の現状と改善策 その他の不登校に関連す…

困った行動への対処は視覚支援で

〜見てわかるマークを提示する〜 ☝️発達特性のあるお子さんに対しては、視覚支援が有効です。 ...とはいうものの、「どんな風にするの?」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。視覚支援は「見てわかる支援」なので、工夫次第でいろんなことに応用…

『神経発達症』という新しい診断名

〜「発達障害」の名称変更〜 先月、発達障害学会からのJLニュースに、「発達障害」という呼称が変更予定である...という記事がありました。「発達障害」の呼び方はしばらく残りそうですが、正式な名称は「神経発達症」 となります。早ければ2022年に決定する…

コンサータ®・ストラテラ®について

〜お子さんとご家族への調査研究⑤〜 〈服薬アドヒアランスって何?〉 薬物治療において、決められたように薬を飲むことについて、以前は「服薬コンプライアンス」という言葉が使われていました。 しかし、今はWHOから「服薬アドヒアランス」を推奨するよう定…

コンサータ・ストラテラについて④

〜お子さんとご家族への調査研究④〜 ストラテラ®︎ 面談質問編 前回からの続きで、今回はストラテラ®︎内服中のお子さんの保護者の方との面接質問編です。 飲み忘れた時の様子は? ・気持ちの切り替えが悪く、グズグズいうことが長い。飲んでいる時の差を感じ…

コンサータ・ストラテラについて③ 〜コンサータ 面談質問編〜

コンサータ・ストラテラについて〜お子さんとご家族への調査研究③〜 コンサータ 面談質問編 前回からの続きで、今回は「コンサータ®︎」を服用している保護者の方からの聞き取り調査の一部をご紹介します。 肯定的感想 ・飲み始めるまでは「どうしよう」と悩…

コンサータ・ストラテラについて③ 〜コンサータ 面談質問編〜

コンサータ・ストラテラについて〜お子さんとご家族への調査研究③〜 コンサータ 面談質問編 前回からの続きで、今回は「コンサータ®︎」を服用している保護者の方からの聞き取り調査の一部をご紹介します。 肯定的感想 ・飲み始めるまでは「どうしよう」と悩…

コンサータ・ストラテラについて②否定編

〜お子さんとご家族への調査研究②否定編〜 私が大学院に在籍中に注意欠如・多動症(ADHD)のお子さんとその保護者の方たちが、薬物治療の有効性や副作用について、どのように感じ、治療に向き合っているのかを明らかにするための調査研究をしていました。 ⭐️…

コンサータ・ストラテラについて①

〜お子さんとご家族への調査研究①肯定編〜 私は数年前に大学院で特別支援教育を学んでいるとき、病理学系の研究をしていたことがあります。(論文として発表しています:下記に引用文献を記載) 注意欠如・多動症(ADHD)のお子さんとその保護者の方たちが、…

学習支援の必要性

〜学習とうまく付き合うために〜 子どもたちの生活において、学校という存在は大きなウエイトを占めています。学校では楽しい活動もたくさんありますが、学習という課題を避けては通れません。 努力しているのに学習についていけない、困っていてもSOSを発信…

ポジティブマインドは強い! 〜ポジティブな体験が心を育てる〜

ポジティブマインドは強い! ポジティブな体験は、心をたくましく育てていきます。 発達特性のある子どもは、日々の生活において、うまくいかない経験をしばしばしています。子どもを取り巻く環境が整っていない、周囲の理解が得られない、子どもに合った支…

限局性学習症(学習障害/LD)とは

発達障害の基礎知識 〜限局性学習症とは〜 限局性学習症は「学習障害」とも呼ばれ、英語では、『Learning disability / Disorder / Difference』と呼ばれることから、略されて『LD』と呼ばれることが多いです。 知的水準は通常と変わらないものの、読み書き…

発達障害の基礎知識 〜注意欠如・多動症とは〜

〜注意欠如・多動症とは〜 『ADHD』は英語で『Attention deficit / hyperactivity disorder』と呼ばれています。 日本では、その頭文字を取って「ADHD」と略されて呼ばれることが多いです。 *最近の研究では、有病率は約7%と言われています。 ୨୧・・・・・・…

発達障害の基礎知識〜自閉スペクトラム症〜

〜自閉スペクトラム症〜 自閉スペクトラム症は、英語で『Autism Spectrum Disorder』と表記されることから、頭文字を取って「ASD」と略されて呼ばれることが多いです。 ୨୧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧ 2021年5月に、信州大学の篠山大明先生、本田秀夫…

発達障害の 基本的な知識

〜発達障害の基本的な知識〜 私は普段、小学生以上のお子さんの支援をしていることが多いです。そういうわけで、親御さんもお子さんの特性やご家庭での支援についても勉強されている方が多い印象を受けます。 でも、このブログやInstagramをご覧になっている…

フリーオペラント型ABAとは

〜より自然な療育のスタイル〜 応用行動分析は、発達障害のお子さんの臨床現場でよく活用されているのがABA(応用行動分析)です。 ✴️ABAは... 人の行動の前と後にどういったことがあったのかを調べ、 問題が起きる背景を探ったり、 何の目的でその行動を起…

発達障害の診断名って、何で呼び方が少しずつ違うの?

〜何で呼び方が少しずつ違うの?〜 発達障害などを扱う日本精神神経学会は、2014年5月に「DSM-5 病名・用語翻訳ガイドライン」を作成した際、児童青年期の疾患などについて、「障害」を「症」へと診断名を変更しました。 ✴️例えば、発達障害だと下記のように…