発達障がいと「注意」③
〜集中的注意に関する支援〜
発達障害のあるお子さんへの支援には、「注意」の仕組みを知ることが重要です。
心理学での「注意」は、目や耳、鼻、舌、皮膚などの感覚器官からの情報を処理する機能のことをいいます。
「注意」は主に4種類に分類されると、前回ご紹介しましたね。
・集中的注意---特定の対象に向ける注意
・選択的注意---複数の情報から必要な情報を選び取る注意
・分割的注意---複数の対象に同時に向ける注意
・転換的注意---複数の情報処理を切り替える注意
今回は「集中的注意」についてのお話です。
「集中的注意」では、正反対の2つの注意の問題があります。
【1】それやすい注意
【2】集中しすぎる注意
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【1】それやすい「注意」の問題
「集中的注意」は、ある作業や対象に注意を集中する機能です。長時間にわたって注意を持続させることから「持続的注意」と呼ぶこともあります。個人差はあるものの、注意を持続できる時間はおよそ30分程度だと言われています。
しかし、発達障害のお子さんの場合、注意の持続させられる時間は状況によってずいぶん違います。集中的注意の問題は、特にADHD(注意欠如多動症)のお子さんに該当する傾向が強いですが、ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんにも見られます。
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🔶何か気になる状況にあると、容易に注意がそれてしまう。
例えば...
・何か急に「ガタッ」と音がした
・何か気になる匂いがしてきた
・誰かがそばを通った ...などなど。
ですので、課題に取り組むときは、人の移動が多い場所や物音がする場所を避けて、落ち着いた環境を用意してあげましょう。
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🔶見えるところに刺激が多いと、注意が散漫になる。
上記のような環境と同様に、ADHDのお子さんは視界に刺激が入ると気が散りやすいです。
ADHDのお子さんは、学習や活動の時に、机の上にいろんなものを広げて置きたがります。
しかし、整理されていない机だと注意が散逸しやすいので、関係のないものはさりげなく片付けましょう。目の前のことに集中しやすくなります。
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🔶興味のないことには、なかなか集中できない。
例えば、宿題をしなければならない時など...
・勉強が好きではない
・勉強が面白くない
・課題が難しい
・別のことがしたい ...などなど。
その場合は、注意を勉強に向ける時間を短く設定します。
そして、合間に遊びや休憩を挟みながら進めます。あらかじめお子さんに予定などを視覚的に見せて、「宿題の合間に遊びや休憩をしながらやるょ」と伝えてから取り組む方が効率がよかったりします。苦手なことをずっとやり続けるより、ずっとお子さんはラクです。ADHDのお子さんだと、「勉強→遊び→勉強」のようなリズム感がテンポ良く進みます。
ぜひ一度お試しください♪
次回は「集中しすぎる注意」についてご紹介しますね😊
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*こども発達支援 みのりは、2021年夏、岡山市にオープン予定です。
*画像は写真素材サイト「photoAC」の写真レーター、ちゃぁみいさん撮影のイメージ写真です😊