発達障がいと「注意」⑦
〜分割的注意の困り感と支援〜
「分割的注意」はいくつかの作業に対して、それぞれ注意を分配する機能です。いわゆる「マルチタスク」を遂行するための注意で、私たちは普段無意識のうちにこなしているのです。
例えば...
🔹音楽を聴きながら運転する
🔹電話の通話相手と話しながらメモを取る
🔹料理をしながら洗い物もする
...などが、「分割的注意」を使った作業にあたります。
「注意」には人それぞれ「容量」があり、注意を向ける対象が多くなるとキャパシティをオーバーしてしまいます。
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✳️発達障害のあるお子さんの場合を考えてみましょう。
たいていのお子さんは「注意」のキャパシティがあまり大きくありません。注意の分配が苦手なお子さんも多いので、同時に並行して複数の作業をこなすことが難しいお子さんが多いです。
例えば...
🔹先生の話を聞きながら、黒板の内容をノートに書き写す
🔹ドリルを見ながら、漢字を書き写す
🔹聞いた内容を、頭の中で整理して記録する ...などなど。
これらの作業は注意を分散させなくてはできないので、発達障害のお子さんは苦手とすることが多いです。そういう理由から、よかれと思って大人がそばであれこれ指示を出しても、うまくいかないことが多いです。
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✳️これらのことを、車の運転に例えてみます。
運転に慣れている人なら、運転しながら会話をしたり、歌ったり、道沿いの新しいお店を見つけたりできます。でも、免許を取ったばかりの人なら、運転することにも必死で、あれこれ他のものに注意が向けられません。
✳️これと同じで、注意を分散させることが難しいお子さんに、そばであれこれ指示を出しても、困ってしまって、どれも十分にできない...ということがあります。
✳️例えば...
🔶宿題をしているときに、姿勢を正しくするようにいう
👉姿勢に注意を向けると、学習内容に集中しづらくなる
🔶漢字の筆順を正すようにいう
👉筆順に気を取られ、字の形をうまく捉えられない
学習や課題に取り組むときには、お子さんが集中できるよう、あれこれ言い過ぎないように気をつけましょう。
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*こども発達支援 みのりは、2021年夏、岡山市にオープン予定です。
*画像は写真素材サイト「photoAC」の写真レーター、ちゃぁみいさん撮影のイメージ写真です😊