みのり日記~発達支援あれこれ~

支援が必要なお子さまとご家族のための発達支援室「こども発達支援みのり」

ABAから考える 〜要求を獲得するために暴れる子〜

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〜要求を獲得するために暴れる子〜

ABA(応用行動分析学)では、まず問題行動の原因を探ることが肝要だといわれています。

問題行動のほとんどは、主に4つの目的のために生じています。


①人・モノ・活動の獲得(要求の獲得)

②逃避

③承認・注目の欲求

④感覚刺激


✴️今回は①の「人・モノ・活動の獲得」について考えてみましょう。

前回の投稿も参考にしてくださいね☺️


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🔶人・モノ・活動の獲得


例えば、何か要求を通すために、思いっきり暴れるお子さんがいたとします。


翌日など、状態が落ち着いていて、かつ、まだ暴れたことを覚えているうちに、写真ような絵を使ってお子さんと一緒に考えてみます。

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パターン①

「おねがいをきいてほしい」→○→「おねがいをきいてもらえる」


パターン②

「おねがいをきいてほしい」→○→「おねがいをきいてもらえる」

 

⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰


「パターン①」でも「パターン②」でも結果は同じですね❣️

そこがポイントです❣️


では、途中の空白の◯には、何が入るでしょうか?

 

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◯に入るのは...

 

パターン①の悪魔パターン👿→→「暴れる

パターン②の天使パターン😇→→「ことばで伝える」

 

お子さんに、「暴れなくても、要求を通す方法がある」ことを知ってもらいます。

 

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だからと言って、急に乱暴な行動がなくなるわけではありません。

 

しかし...

🔹少しでも乱暴する時間が減った

🔹乱暴な度合いがマシになった

...などの変化が見られたら、即座に褒めます。

 


⭕️「今日は乱暴した時間が短かったね。えらいね!」

⭕️「今日は乱暴さがマシだったね。えらかったね!」

 

褒めることにより、適応的な行動を増やすことができます😊

次も「がんばってやってみよう」と思えるよう、声かけしましょう。


お子さんの自尊感情も育っていきます!

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乱暴な行動が、お子さんの生育歴やご家庭の根深い問題に起因する場合は、ABAですぐに改善が見られない場合が多いです。

 

その場合は、チームで支援にあたり、お子さんやご家族へも中長期的にサポートしていく必要があります。

少し心配なお子さんのケースは、医療や福祉の専門職に相談しましょう。

 

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*こども発達支援 みのりは、2021年夏、岡山市にオープン予定です。

*画像は写真素材サイト「photoAC」の写真レーター、ちゃぁみいさん撮影のイメージ写真です😊