発達障害の基礎知識〜自閉スペクトラム症〜
〜自閉スペクトラム症〜
自閉スペクトラム症は、英語で『Autism Spectrum Disorder』と表記されることから、頭文字を取って「ASD」と略されて呼ばれることが多いです。
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2021年5月に、信州大学の篠山大明先生、本田秀夫先生による研究が発表されました。
日本の、5歳時点での自閉症累積発生率は2.75%でした。
✴️5歳時点でのASDの累積発生率
・2009年度生まれの子どもの場合は2.23％
・2014年度生まれの子どもの場合は3.26％
（年々増加傾向にある）
✴️ 都道府県別の5歳時点でのASDの累積発生率は0.9〜7.9％で、地域差がある。
✴️医療や支援の体制などの地域差が、ばらつきの原因の可能性がある。
✴️日本のASDの累積発生率は世界的にも高く、ASDの認知度の向上が影響していると推測
（研究成果は5月4日付の医学専門誌「JAMA Network Open」にオンライン開載）
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以前は、自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害など、細かく分類されていました。しかしDSM–5の改訂以降、知的な遅れや言葉の遅れにかかわらず、自閉症特有の中核症状をもつ人たちを「連続体（スペクトラム）」ととらえて診断名が変わりました。
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✴️自閉スペクトラム症の特徴
⭐️強い自閉症の症状ではないお子さんは、一見してわかりにくいこともあります。
🟢 対人交流とコミュニケーションの質が少し違う
・会話のやりとりが難しい（受け身、一方的、内容が噛み合わないなど）
・相手の感情や表情、会話の意図を読み取ることが苦手
・身ぶり手ぶりなどの非言語的コミュニケーションが少ない
・ことばを字義通りに受け取り、冗談や皮肉が通じない
・「おうむ返し」が多い（エコラリア、反響言語ともいう）
・敬語で話す
・ルールの遵守に厳しい
・ひとりでいることを好む
🟢興味や行動への強いこだわり パターン的な行動があること
・同じパターンにこだわる（生活リズム、手順、食事、行動、言葉づかいなど）
・変化に弱く、臨機応変な行動をとることが難しい（急な予定変更、ルート変更でパニックになる）
・固執したこだわりがある（特定のものに強い愛着を示す）
・興味のあるものに関しては、驚くほどの知識・記憶を持っている
🟢音・光など感覚刺激に対して過敏性がある
・強い光、特定の音、皮膚の感覚など刺激に弱い（易刺激性）
・味覚が過敏で偏食（食べられるものが少ない）
・逆に感覚が鈍麻で、痛みや疲れを感じにくい人もいる
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ここに挙げたのは、特徴的な自閉スペクトラム症の内容ですが、人それぞれ特性は全く違います。特性は人によって強い場合もありますし、逆にほとんど見られない場合もあります。
例えば...
🔹ひとりが好きな人ばかりではない
🔹お友達と一緒に行動するのが好きな人もいる
🔹何でもおいしくモリモリ食べる人もいる
🔹感覚過敏があまりない人もいる
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自閉スペクトラム症のこれらの特徴は、度合いの違いはありますが、多少は誰もが持ち合わせている個性だといえます。周りから「少し風変わりだなぁ」と思われているだけで、日常生活を送ることができている人もいます。
しかし、周りの人に気づかれていないけれど、本人は非常に生きづらい感覚を持って生活を送っている人もいます。特性が強くて、日常生活に支障が出たり、社会のなかで困難が生じる場合は、支援が必要になります。その場合は、医療機関や支援機関などの専門機関に相談しましょう。
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特性をポジティブに捉えると、こだわりの強さや、好きなことに集中する力は人より抜きん出ているので研究職や芸術の分野などで力を発揮している人も少なくありません。
しかし、抜きん出た優れた才能を持っている自閉スペクトラム症の人ばかりではありません。テレビの24時間テレビのような番組を見ている人たちが誤解しやすいのがこの点です。
多くの自閉スペクトラム症のお子さんは、ひとりひとりの特性や状況に合った丁寧な支援が必要です。୨୧･･･････････････････････････････୨୧
＊こども発達支援 みのりは、2021年夏、岡山市にオープン予定です。
＊画像は写真素材サイト「photoAC」の写真レーター、ちゃぁみいさん撮影のイメージ写真です😊
