限局性学習症(学習障害/LD)とは
発達障害の基礎知識 〜限局性学習症とは〜
🟡限局性学習症は「学習障害」とも呼ばれ、英語では、『Learning disability / Disorder / Difference』と呼ばれることから、略されて『LD』と呼ばれることが多いです。
🟡知的水準は通常と変わらないものの、読み書きや計算、推論などに困難さをもっている...というのが、限局性学習症です。一見わかりにくいので、ただ怠けていると誤解されることもあります。
🟡限局性学習症は、知的な発達の遅れはないので、知的障害とは明確な違いがあります。自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)と併存しているお子さんが多いです。
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2012年の文部科学省の調査によると、「書く」「聞く」「計算する」など特定の分野の学習に困難を示す限局性学習症(LD)の可能性があるのは4.5%でした。
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限局性学習症の特徴
🟡読字障害🟡
🔹字が読めない
字がぐねぐねとした線に見えたり、行が入り乱れたように見えるなど
🔹特殊音節が苦手
「ゃ、ゅ、ょ、っ」、「ば、ぱ」濁音、半濁音、「おとうさん(伸ばす音)」などを含むことばが苦手
🔹似た形の文字を見分けることが困難
ぬ-ね、は-ほ、す-む、し-くなど
🔹逐語読み(流暢に読めず、一言ずつ読む)
🔹読み間違い、読み飛ばし、語尾の勝手読み
🔹音読が苦手
🔹正常に聞こえているが内容を聞き間違える
(APD:聴覚情報処理障害の可能性もある)
🟡書字障害🟡
🔹字(ひらがな、カタカナ、漢字)そのものをうまく書けない
🔹バランスよく書けない
🔹枠からはみ出す
🔹鏡文字を書く
🔹特殊音節が書けない
🔹濁音・半濁音の区別が難しい
🟡算数障害🟡
🔹数そのもの概念(数の大小)が理解できない
🔹計算が極端に苦手
🔹指で数えたり、マグネットを使ったりしてもうまく認識できない
🔹足し算・引き算・筆算につまずく
(繰り上がり・繰り下がり)
🔹時計が読めない
🔹九九がなかなか覚えられない
🔹図形の視写が難しい
(図を見て同じように描こうとするが、うまく描けない)୨୧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧
🟢私の印象では、潜在的なLDは意外といるかもしれない...と思います。
例えば、学習への取り掛かりを極端に嫌がるお子さんや、LDが原因のひとつだけど、うまくSOSを出せずに不登校になっている...というケースもあるように思います。
🟢最近は合理的配慮の普及で、試験問題の拡大版の使用が認められたり、ICT(デジタル教材/タブレットなど)の利用で、格段に学校生活がラクになった...というお子さんもいます。
🟢読字の場合、読みやすく書き直した教材(リライト教材)の使用や、リーディングルーラー(読んでいるところがわかりやすくなる定規)などの支援ツールも効果的です)
🟢紙が眩しく感じる場合は、色の紙を使う。
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お子さんの困り感に早めに気づいて、特性に合った支援を提供してあげることが大切です。
発達障害はその特性を周りの人たちがよく理解し、その人に合ったやり方で生活することによって、もっている力をしっかり生かせるようになります。ひとりひとりが素敵な個性を発揮できるような環境づくりを心がけたいですね😊
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*こども発達支援 みのりは、2021年8月に岡山市でオープン予定です。
*画像は写真素材サイト「photoAC」の写真レーター、ちゃぁみいさん撮影のイメージ写真です😊