みのり日記~発達支援あれこれ~

支援が必要なお子さまとご家族のための発達支援室「こども発達支援みのり」

コンサータ・ストラテラについて①

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〜お子さんとご家族への調査研究①肯定編〜


私は数年前に大学院で特別支援教育を学んでいるとき、病理学系の研究をしていたことがあります。(論文として発表しています:下記に引用文献を記載)


注意欠如・多動症(ADHD)のお子さんとその保護者の方たちが、薬物治療の有効性や副作用について、どのように感じ、治療に向き合っているのかを明らかにするための研究でした。


【対象】

①2011年1月1日から2015年12月31日までにADHDの診断を受けている

②メチルフェニデート徐放剤(商品名コンサータ®)およびアトモキセチン(商品名ストラテラ®)を処方されていた

③小学1年生から高校3年生までの患児94人と保護者106人


【方法】

①質問紙調査(アンケート用紙に回答)

②半構造化面接(アンケートの回答を踏まえて質問)


🔶結果としては...


 🔹良いことがあると回答

 お子さんは78.7%

 保護者の方は95.3%

💊大多数が肯定的に評価をしていました。

💊お子さんよりも保護者の方ほうが肯定的ととらえていました。


🔶お子さんの回答では...

・勉強・授業がよくわかるようになった

・イライラしなくなった

・忘れ物が減った

・友達と仲良くできるようになった

・ほめられることが増えた  ...などなど。

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🔶保護者の方の回答は...

・落ち着いて活動できるようになった

・集中できるようになった

・指示がよく聞けるようになった

上記の3項目は50%を超えていました。

 

・日常生活がスムーズになった

・友達関係が改善した

・イライラしなくなった

・学力が向上した

・暴力をふるわなくなった

...なども20〜30%でした。

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🔶その他の自由記載では...

・パニックの収束時間が短くなった

・バランス感覚が向上した


論文ではこのあと、否定的な意見なども挙げています。

薬の問題はまだまだ奥が深いです。

 

私は医療者ではないので、ADHD治療薬を内服しているお子さんと、そのご家族がどのように治療と向き合っているのか...ということを明らかにして、より良い支援につなげたいと考えています。

 

もっとしっかり考えたい問題なので、さらに次回に続きます。


〈引用文献〉

大守伊織・南 恭子・大野 繁・岡 牧郎(2020)ADHD患児とその保護者の服薬アドヒアランス調査,岡山大学大学院教育学研究科研究集録,174,9-14.

https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/en/60556

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*こども発達支援 みのりは、2021年8月20日に岡山市でオープン予定です。

*ただいま支援室を新築中❣️

*画像は写真素材サイト「photoAC」の写真レーター、ちゃぁみいさん撮影のイメージ写真です😊