発達性協調運動症 〜極端に運動が苦手な子〜
発達障害のなかには、「発達性協調運動症(DCD)」という運動面の苦手さをもっているお子さんがいます。
DCDのお子さんは、体に麻痺や疾患などの機能的な問題はないのに、極端に運動面に苦手さがあることが特徴です。
単に「運動が苦手」や「手先が不器用」というレベルではなく、極端にその状態が強くあらわれ、日常生活に支障をきたしているという状態です。
手と足、目と手など、複数の器官の動作が組み合わされている運動を協調運動といいますが、ポイントは「協調運動」という脳の機能が原因であるといわれています。
出現率は約 6 〜 10%といわれ、クラスに2〜3人いると推測されます。
このDCDは単独で出現する場合もあります。
しかし、ADHDやASDなどの他の発達障害と重複することが多いです。
その場合、当事者のお子さんが困難を感じる場面が増え、ニーズに合う支援が必要となります。
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🟡どんなお子さんがDCD?
【粗大運動】体全体を使う運動
・走るのが極端に遅い
・スキップができない
・自転車に乗れない
・泳げない
・鉄棒が上れない
・跳び箱が跳べない
・縄跳びができない
・飛んでくるボールが取れない
【微細運動】手先の運動
・箸がうまく使えない
・ボタンをとめられない
・書字が苦手
・ハサミが苦手
・ひもが結べない
・定規やコンパスを使う動作がぎこちない
・楽器の演奏が苦手
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🟡心のケア
DCD傾向のあるお子さんは、うまくできないことに対するコンプレックスをもちやすいです。
園や学校でお友達からうまくできない様子を見られるつらさもあります。
書いた字をからかわれたり、運動中に笑われたり、学校生活で傷つく場面も少なくありません。
学級内の壁面に作品を掲示して欲しくない、体育の授業に参加したくないと思うお子さんもいるでしょう。
お子さんたちの気持ちを考え、必要な配慮を検討していくことも必要です。
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🟡支援方法
・自分のペースでできることに取り組む。
・できないことを責めたり強要しない。
・方法を具体的に示す。
・支援グッズを使う。(逆上がり補助具、使いやすいコンパスなど)
・作業療法士などの専門的な支援を受ける
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🟢注意すること🟢
☝️大人になって必要がない運動(逆上がりや跳び箱など)は「できなくても支障がない」と割り切るのも大事です。
☝️練習すれば上手にできるようになるかもしれませんが、苦手なことに取り組み続けることは、お子さんにとって苦痛な状況であることを忘れてはなりません。
☝️発達特性のあるお子さんはストレス耐性が弱く、つらい状態に長くおかれることは決してよいことではありません。
☝️どんなに努力してもできるようにならないこともあります。できることをこだわるのはやめましょう。
☝️運動が苦手でも、お子さんひとりひとりが大切な人存在であることを、しっかり本人に伝えていくことも必要です。
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