発達障がいと「注意」⑤
〜選択的注意の困り感と支援〜
発達障害のあるお子さんへの支援には、「注意」の仕組みを知ることが重要です。
「注意」の意味については、過去の投稿をご参考になさってくださいね😊
今日は「選択的注意」についてのお話です。
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〜選択的注意とは〜
「選択的注意」は、複数の情報のなかから、必要な情報だけを選択して注意を向ける機能です。必要な情報を選び取るのと同時に、不要な情報をオフにしているのです。
「選択的注意」の代表的な例として「カクテルパーティ効果」があります。これは聴覚情報の処理に関するものです。
私たちは、選択的注意によって、パーティ会場のような騒がしい場所でも、話し相手の会話だけを選び取って情報を処理することができます。しかし、発達障害のあるお子さんは、選択的注意の機能が弱いことがわかってします。生活のなかで、聞きたい音を選び取ることが難しいお子さんがいます。
選択的注意の弱さによる困り感と、その弱さを補う支援方法について、下記にご紹介します。
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〜「選択的注意」の困り感と具体的な支援〜
🔶周囲の音が雑音なども含めて同じボリュームで入ってくるので、相手の話の内容をうまく聞き取れない
これは注意の問題だけではなく、感覚の特異性によるものも大きいです。
🔹発達障害のお子さんに大事な話をするときは、静かな場所を選んで、ちゃんとお子さんがこちらに注意を向けていることを確認してから、ゆっくり話しましょう。
🔶全体に出した指示が、自分にも向けられたものだとわかりにくい
例えば、学校で先生がクラスのみんなに指示を出したとします。しかし、発達障害のお子さんは、その指示が自分に向けられたものだと認識していないことがよくあります。全体への指示だけでは不十分な場合は、個別に声かけや視覚支援をしてもらう必要があります。
🔹お子さんの近くまで行って、「○○さん、△△するよ」と言ってあげると、本人もよくわかります。
🔹見てわかる支援があるとお子さんが状況を理解しやすいです。
個別の支援がないと、学習や活動についていけなくなり、困り感による問題行動が起きやすくなるので注意しましょう。
今回は、聴覚情報の注意に関する支援のお話でした。
次回は、視覚情報の注意に関する支援についてご紹介します😊
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*こども発達支援 みのりは、2021年夏、岡山市にオープン予定です。
*画像は写真素材サイト「photoAC」の写真レーター、ちゃぁみいさん撮影のイメージ写真です😊