みのり日記~発達支援あれこれ~

支援が必要なお子さまとご家族のための発達支援室「こども発達支援みのり」

発達障害の診断名って、何で呼び方が少しずつ違うの?

f:id:Minori-cds:20210601224134j:image

〜何で呼び方が少しずつ違うの?〜

発達障害などを扱う日本精神神経学会は、2014年5月に「DSM-5 病名・用語翻訳ガイドライン」を作成した際、児童青年期の疾患などについて、「障害」を「症」へと診断名を変更しました。


✴️例えば、発達障害だと下記のようになります😊

 🔹「自閉症スペクトラム障害(ASD)」→「自閉スペクトラム症」

 🔹「注意欠如多動性障害(ADHD)」→「注意欠如多動症」

 🔹「学習障害(LD)」→「学習症」(限局性学習症ともいう)

 🔹「言語障害」→「言語症」

 🔹「パニック障害」→「パニック症」

 🔹「性同一性障害」→「性別違和」

 

現在もまだ『〜症』という呼称に馴染みがない人も多く、『障害』という診断名を使っているところもあります。『自閉症スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害』とスラッシュをいれて併記する文献などもあります。୨୧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧

✳️すべての診断名に「機能不全」を意味する「障害(disorder)」というワードがついているため、今まで日本では「〜障害」と訳されていました。

 

しかし、「障害」という名前がつくと...

 🔹倫理的な問題として、誤解・偏見を生む

 🔹お子さんや親御さんに精神的なショックを与える

...というおそれがあります。そのため、「障害」を「症」に変えることになりました。


✴️当事者であるお子さんとそのご家族の尊厳を守るための、診断名変更なのです😊୨୧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧

☝️診断名の取り扱い

 🔹診断名によって、その子どもにレッテルを貼るようなことを避ける

 🔹安易にそのお子さんをわかった気にならないよう注意する

 🔹診断名はかかわる上での手がかりにすぎない

 🔹診断名がついていても、ひとりひとりみんな違う


✳️大切なのは、ひとりひとりと丁寧に向き合うこと❣️

✳️固定観念で子どものことを決めつけるのはやめましょう😊


୨୧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧

✴️おまけの情報✴️

診断基準のスタンダードであるDSMは、アメリカ精神医学会よって出版された書籍です。現在、第5版が使われており、「DSM-5」と呼ばれています。DSMは、元々は統計調査のためにつくられましたが、第3版からは診断の信頼性の問題に対応するために、明確な診断基準を設けました。国による違いや精神科医によって、診断の違いが出ないようにするためです。日本語では「精神障害/疾患の診断・統計マニュアル」と訳されています。DSMは、世界保健機関(WHO)による国際疾病分類(ICD)とともに、国際的に広く用いられている診断基準です。

* -  -  -  * -  -  -  *

*こども発達支援 みのりは、2021年夏、岡山市にオープン予定です。

*画像は写真素材サイト「photoAC」の写真レーター、ちゃぁみいさん撮影のイメージ写真です😊