みのり日記~発達支援あれこれ~

支援が必要なお子さまとご家族のための発達支援室「こども発達支援みのり」

コンサータ®・ストラテラ®について

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〜お子さんとご家族への調査研究⑤〜

〈服薬アドヒアランスって何?〉

薬物治療において、決められたように薬を飲むことについて、以前は「服薬コンプライアンス」という言葉が使われていました。

 

しかし、今はWHOから「服薬アドヒアランス」を推奨するよう定められたことによって、服薬するご本人自身が、治療の効果や副作用について理解し、積極的に治療に参加する...という考え方が主流になってきました。

 

アドヒアランスを向上させることによって、より治療の効果が高まると考えられています❗️

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私がおこなった研究調査では、ADHDの薬物治療を継続することについて、

🔹賛成しているお子さんは約 50%、
🔹保護者の方は約 60%    ...でした。

服薬アドヒアランスはあまり高くない...といえます。

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なので、飲み忘れたり、面倒で薬を飲まないなど、服薬が不規則になったり、自己判断で服薬をやめてしまう人も一定数いると推測されます💦

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🔴ADHD の服薬アドヒアランスが低下する要因は?

《子ども側の要因として》

①薬を飲むのがめんどう・・・ADHDの疾患特性による可能性がある
②食欲低下・不眠・疲れなど薬物の直接的な副作用への不満
③味や飲み心地が悪い

 

《保護者側の要因として》
①副作用への懸案
 ・向精神薬への漠然とした不安、
 ・長期服用における体への悪影響
②ありのままの児の姿が失われることなどへの懸念
③治療の見通しがもてない
 ・いつまで服薬を続けなければならないのか?

 

✴️この研究で興味深かったことは...
【子どもは肯定的な評価も否定的評価もどちらも低い】...ということです❗️

それは、薬物治療に対して、
「子ども自身が薬物治療の決定に関わっていない」
「治療に関わることが難しい」  ...ということを示しているといえます。
 
✴️子どもの年齢が低いと、自分の状況を判断して治療に参加することは難しいです。しかしながら、子どもの理解力に合わせて、必要な時には、わかりやすい説明をしたり、子ども自身も可能な限り積極的に治療に参加できるよう支援することが必要だと考えられます。

 

✴️医師や学校の先生、保護者の方が勧めるから薬を飲むのではなく、子ども自身が積極的に治療に参加する
...という姿勢を大切に、薬物治療を進めて欲しいなと思います。

 

例えば...
🔸このお薬を飲むと、気持ちが落ち着いて活動に参加できるょ
🔸学校の勉強に集中できるようになるょ
🔸宿題がはかどるょ
🔸お友達と仲良く遊べるようになるょ  

 

...など、お子さんのメリットを教えてあげると、自主的に服薬するモチベーションを上がることができる場合があります。

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☝️薬物治療は、単に子どもを扱いやすくするためのものではありません‼️服薬して特性が落ち着いている時に、成功体験を積み重ねたり、どのようにすればうまくいくかということを考えたり、その方法を身につけたりして、自身の特性と折り合っていくことができるよう支援していくことが重要だと思います。

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⭐️お薬との付き合い方や感じ方は、それぞれ違います。ご注意ください。
⭐️投稿者は医療関係者ではありません。医療的見解を述べているのではありません。

 

〈引用文献〉
大守伊織・南 恭子・大野 繁・岡 牧郎(2020)ADHD患児とその保護者の服薬アドヒアランス調査,岡山大学大学院教育学研究科研究集録,174,9-14.
https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/en/60556

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コンサータ・ストラテラについて④

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〜お子さんとご家族への調査研究④〜

🔶ストラテラ®︎ 面談質問編🔶

 

🟢前回からの続きで、今回はストラテラ®︎内服中のお子さんの保護者の方との面接質問編です。

 

🔹飲み忘れた時の様子は?

・気持ちの切り替えが悪く、グズグズいうことが長い。飲んでいる時の差を感じる。

・忘れ物が多くなる。宿題の取り掛かりが悪い。

・飲み忘れると、落ち着かない様子で「何か変だな」と思って飲み忘れに気づく。

・服薬し忘れた時は、学校ではいつもと様子が変わるらしいが、家ではあまり変わらない。

・様子があまり変わらない。

・服薬を拒否することがあり、気分の落ち込みがある。

 

🔹薬が切れた時の様子は?

・薬が効いている時より対応が難しい

・イライラしている。

・指示が聞けない

・ちょっとせわしく、いつもより動きが多い。

 

🔹服薬の有効性について

・学校生活がスムーズになった。

・注意したことを気にかけて行動できるようになった。

・友達と遊べようになり交友関係が広がった。

・待っていて欲しい時に待てるようになった。

・服薬してから、すごくしっかりしてきたと感じている。

・パニックの収束時間が短くなった。

・効き目がゆるやか。

 

🔹服薬の危険性が心配

・風邪薬等と違って向精神薬なので。

・調べたら心配になった。

・長期服用による内臓への影響や副作用が心配。

・コンサータは少し心配。ストラテラは少し安心。

・長期の服薬だと、薬のリスクについてまだはっきりとはわからないし、成長期なので、漠然とした不安がある。

 

🔹服薬の問題点をどう考えますか?

・薬がまずくて飲みづらかったが慣れた。

・薬を続けて、やめる時のことが少し心配です。やめられるかな?

・シロップだと外出時が面倒で、飲み忘れにつながる

(ピペットなどの持ち物が増える)

・一生飲み続けないといけないのか?

・飲んでいても子どもの状態には波がある。

・効果がゆるやかで、劇的な変化が見られない。

 

🔹その他いろいろ

・飲み忘れがちょくちょくある。

・医療費の補助がなくなった時、薬が高かった。

・服薬の必要性について疑問を持ち、やめさせたいと思ったことがある。

・本人が「飲むと安心」と感じているので、飲まないと少々不安を感じているようだ。

・ADHDは本児の個性なので、本音は薬に頼らずに環境整備などで対応したかった。

・子どもの生活がラクになるなら服薬する方が良いと考えている。

・服薬は子どもの意思でなく親が決めていることなので、服薬する方がいいのかどうかどちらとも言えない。

 

✴️ ADHD治療薬は、問題をすべて解決できるわけではありません。

 

✴️子どもを単に安易に扱いやすくするために薬物治療に取り組むのではありません。

 

✴️薬の効果が出て、状況が落ち着いている間に成功体験を積んだり、自己の特性と折り合う方法を身につけることが大切だと思います。

 

次回に続きます😊

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⭐️ADHDの薬物治療と一言で言っても、お薬との付き合い方や感じ方は、それぞれ違います。ご注意ください。

⭐️投稿者は医療関係者ではありません。医療的見解を述べているのではありません。


〈引用文献〉

大守伊織・南 恭子・大野 繁・岡 牧郎(2020)ADHD患児とその保護者の服薬アドヒアランス調査,岡山大学大学院教育学研究科研究集録,174,9-14.

https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/en/60556


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*こども発達支援 みのりは、2021年8月20日に岡山市でオープン予定です。

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*初回ワンコイン体験の受け付けは、8/10頃からおこなう予定です。

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コンサータ・ストラテラについて③ 〜コンサータ 面談質問編〜

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コンサータ・ストラテラについて〜お子さんとご家族への調査研究③〜

🔶コンサータ 面談質問編🔶

前回からの続きで、今回は「コンサータ®︎」を服用している保護者の方からの聞き取り調査の一部をご紹介します。

 

🟡肯定的感想

・飲み始めるまでは「どうしよう」と悩んでいたが、今は飲んでいる方が良い。効果がよく出ているので、飲んでいないとみんなが笑顔でいられない。

・多分、服薬しているせいで学習についていけているのだと思う。服薬していないと家庭内で兄弟がケンカをする。

・減薬した時の様子が違ったので、中断したいと思ったことはない。

・必要時のみの服薬だが、飲んでいると親としては安心する。服薬を中断しようと思ったことはない。現状を維持できているのは服薬のおかげだと思う。

・子ども自身が、服薬しなければちゃんとできないことをわかっているので、飲み忘れても「忘れた!」と言ってちゃんと服用する。

 

🟡懸念はあるが服用する方が良い

・副作用(食欲不振)があるので、全面的に賛成ではない。一度減薬したが、飲んでいる方が良い気がした。

・将来的に服薬を中断したいと思うことはあるが、今は服薬しないと学校でのトラブルが増える。

・服薬をやめさせたいと思うことはよくある。飲まなくて済むなら飲ませたくないが、服薬することで落ち着き、学校生活がスムーズにいっているので、飲む方が良いのかなと感じている。

・中断したいと思うが、必要だと思って服薬させている。

 

🟡服用に懸念あり

・長期間服用することによって、将来、体に及ぼす影響や、年を取ってからどうなるかが心配。

・服薬時とそうでない時の違いがはっきりしている。でも、本音では飲まない方が良いと思っている。

・女の子の場合、妊娠や出産に影響が出ないか不安。

・祖母が最初、服薬に強い抵抗感を示し、「大丈夫?」と心配した。


🟡いつまで飲み続けるのか...という心配

・飲み続けないといけないのだろうか?

・「薬のやめ時ってあるのかな?一生飲むのかな?」と思う。

・子ども自身も飲んでいる方が良いと思っているようだが、いつまで飲み続けるのだろうか?

・服薬をやめた時に本人がどうなるかが心配。

 

🟡その他の感想など

・飲んでいると落ち着くが、芸術面の才能が抑えられているように感じる。

・子どもの様子が、服薬の効果なのか、子どもの成長によるものか区別がつかない。

・月に2~3回、飲み忘れがあるが、様子が違い、学校の先生から連絡が来て、薬を持参することがある。

・薬の効果の説明をして、子どもも受け入れたが、TVで発達障害の特集などを見てから、子どもが薬を捨てている時があった。

・服薬していない時も作っていたりしたが、飲まない分、子どもが「集中することに疲れた」と言っている。

 

🟡印象的だった感想

・服薬してもすぐに効果が現れない。服薬にすごく期待したが、それですべてを解決できるわけではないんだと思った。

 

✴️ ADHD治療薬は、問題をすべて解決できるわけではありません。

 

子どもを単に安易に扱いやすくするために薬物治療に取り組むのではありません。薬の効果が出て、状況が落ち着いている間に成功体験を積んだり、自己の特性と折り合う方法を身につけることが大切だと思います。


次回に続きます😊


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⭐️ADHDの薬物治療と一言で言っても、お薬との付き合い方や感じ方は、それぞれ違います。ご注意ください。


〈引用文献〉

大守伊織・南 恭子・大野 繁・岡 牧郎(2020)ADHD患児とその保護者の服薬アドヒアランス調査,岡山大学大学院教育学研究科研究集録,174,9-14.

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コンサータ・ストラテラについて③ 〜コンサータ 面談質問編〜

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コンサータ・ストラテラについて〜お子さんとご家族への調査研究③〜

🔶コンサータ 面談質問編🔶

 

🟢前回からの続きで、今回は「コンサータ®︎」を服用している保護者の方からの聞き取り調査の一部をご紹介します。

 

🟡肯定的感想🟡

・飲み始めるまでは「どうしよう」と悩んでいたが、今は飲んでいる方が良い。効果がよく出ているので、飲んでいないとみんなが笑顔でいられない。

・多分、服薬しているせいで学習についていけているのだと思う。服薬していないと家庭内で兄弟がケンカをする。

・減薬した時の様子が違ったので、中断したいと思ったことはない。

・必要時のみの服薬だが、飲んでいると親としては安心する。服薬を中断しようと思ったことはない。現状を維持できているのは服薬のおかげだと思う。

・子ども自身が、服薬しなければちゃんとできないことをわかっているので、飲み忘れても「忘れた!」と言ってちゃんと服用する。

 

🟡懸念はあるが服用する方が良い🟡

・副作用(食欲不振)があるので、全面的に賛成ではない。一度減薬したが、飲んでいる方が良い気がした。

・将来的に服薬を中断したいと思うことはあるが、今は服薬しないと学校でのトラブルが増える。

・服薬をやめさせたいと思うことはよくある。飲まなくて済むなら飲ませたくないが、服薬することで落ち着き、学校生活がスムーズにいっているので、飲む方が良いのかなと感じている。

・中断したいと思うが、必要だと思って服薬させている。

 

🟡服用に懸念あり🟡

・長期間服用することによって、将来、体に及ぼす影響や、年を取ってからどうなるかが心配。

・服薬時とそうでない時の違いがはっきりしている。でも、本音では飲まない方が良いと思っている。

・女の子の場合、妊娠や出産に影響が出ないか不安。

・祖母が最初、服薬に強い抵抗感を示し、「大丈夫?」と心配した。


🟡いつまで飲み続けるのか...という心配🟡

・飲み続けないといけないのだろうか?

・「薬のやめ時ってあるのかな?一生飲むのかな?」と思う。

・子ども自身も飲んでいる方が良いと思っているようだが、いつまで飲み続けるのだろうか?

・服薬をやめた時に本人がどうなるかが心配。

 

🟡その他の感想など🟡

・飲んでいると落ち着くが、芸術面の才能が抑えられているように感じる。

・子どもの様子が、服薬の効果なのか、子どもの成長によるものか区別がつかない。

・月に2~3回、飲み忘れがあるが、様子が違い、学校の先生から連絡が来て、薬を持参することがある。

・薬の効果の説明をして、子どもも受け入れたが、TVで発達障害の特集などを見てから、子どもが薬を捨てている時があった。

・服薬していない時も作っていたりしたが、飲まない分、子どもが「集中することに疲れた」と言っている。

 

🟡印象的だった感想🟡

・服薬してもすぐに効果が現れない。服薬にすごく期待したが、それですべてを解決できるわけではないんだと思った。

 

✴️ ADHD治療薬は、問題をすべて解決できるわけではありません。

 

子どもを単に安易に扱いやすくするために薬物治療に取り組むのではありません。薬の効果が出て、状況が落ち着いている間に成功体験を積んだり、自己の特性と折り合う方法を身につけることが大切だと思います。


次回に続きます😊


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⭐️ADHDの薬物治療と一言で言っても、お薬との付き合い方や感じ方は、それぞれ違います。ご注意ください。


〈引用文献〉

大守伊織・南 恭子・大野 繁・岡 牧郎(2020)ADHD患児とその保護者の服薬アドヒアランス調査,岡山大学大学院教育学研究科研究集録,174,9-14.

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コンサータ・ストラテラについて②否定編

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〜お子さんとご家族への調査研究②否定編〜

 

私が大学院に在籍中に注意欠如・多動症(ADHD)のお子さんとその保護者の方たちが、薬物治療の有効性や副作用について、どのように感じ、治療に向き合っているのかを明らかにするための調査研究をしていました。

 

⭐️研究は論文として発表されています。

『ADHD患児とその保護者の服薬アドヒアランス調査』

https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/6/60556/20200903094659246251/bgeou_174_009_014.pdf

 


今回はADHD治療薬を内服した時に感じた否定的な評価です。

🔶薬物治療中、何かしら問題があると回答した子どもは35.1%、保護者は80.2%。

🔹子どもよりも保護者のほうが有意に問題意識を持っていたことがわかりました。

 

🔶どのような点が問題として感じているか?(複数回答可)

 

【保護者】

・長期的な影響が心配

・薬の効果がわかりにくい

・薬の危険性が心配

・子どもが薬を飲みたがらない

(味,におい,飲み心地,手間に嫌悪感を示すなど)

・薬効が切れた時の対応が難しい」  ...など、20~30%認められました。

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【子ども】

・薬を飲むのがめんどう

・食欲がない

・よく眠れない  ...が20~30%に認められました。

 

次いで...

・疲れやすい

・頭が痛い

・なんとなく体調が悪い

・おなかの調子が悪い  ...が5%〜10%未満に認められました。

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⭐️論文ではこのあと、肯定的要素と否定的要素を総合的に判断して、服薬の継続について支持するかどうかを挙げています。

 

薬の問題はまだまだ奥が深いです。

さらに次回に続きます❣️

 

〈引用文献〉

大守伊織・南 恭子・大野 繁・岡 牧郎(2020)ADHD患児とその保護者の服薬アドヒアランス調査,岡山大学大学院教育学研究科研究集録,174,9-14.

https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/en/60556


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コンサータ・ストラテラについて①

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〜お子さんとご家族への調査研究①肯定編〜


私は数年前に大学院で特別支援教育を学んでいるとき、病理学系の研究をしていたことがあります。(論文として発表しています:下記に引用文献を記載)


注意欠如・多動症(ADHD)のお子さんとその保護者の方たちが、薬物治療の有効性や副作用について、どのように感じ、治療に向き合っているのかを明らかにするための研究でした。


【対象】

①2011年1月1日から2015年12月31日までにADHDの診断を受けている

②メチルフェニデート徐放剤(商品名コンサータ®)およびアトモキセチン(商品名ストラテラ®)を処方されていた

③小学1年生から高校3年生までの患児94人と保護者106人


【方法】

①質問紙調査(アンケート用紙に回答)

②半構造化面接(アンケートの回答を踏まえて質問)


🔶結果としては...


 🔹良いことがあると回答

 お子さんは78.7%

 保護者の方は95.3%

💊大多数が肯定的に評価をしていました。

💊お子さんよりも保護者の方ほうが肯定的ととらえていました。


🔶お子さんの回答では...

・勉強・授業がよくわかるようになった

・イライラしなくなった

・忘れ物が減った

・友達と仲良くできるようになった

・ほめられることが増えた  ...などなど。

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🔶保護者の方の回答は...

・落ち着いて活動できるようになった

・集中できるようになった

・指示がよく聞けるようになった

上記の3項目は50%を超えていました。

 

・日常生活がスムーズになった

・友達関係が改善した

・イライラしなくなった

・学力が向上した

・暴力をふるわなくなった

...なども20〜30%でした。

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🔶その他の自由記載では...

・パニックの収束時間が短くなった

・バランス感覚が向上した


論文ではこのあと、否定的な意見なども挙げています。

薬の問題はまだまだ奥が深いです。

 

私は医療者ではないので、ADHD治療薬を内服しているお子さんと、そのご家族がどのように治療と向き合っているのか...ということを明らかにして、より良い支援につなげたいと考えています。

 

もっとしっかり考えたい問題なので、さらに次回に続きます。


〈引用文献〉

大守伊織・南 恭子・大野 繁・岡 牧郎(2020)ADHD患児とその保護者の服薬アドヒアランス調査,岡山大学大学院教育学研究科研究集録,174,9-14.

https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/en/60556

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学習支援の必要性

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〜学習とうまく付き合うために〜

 

子どもたちの生活において、学校という存在は大きなウエイトを占めています。学校では楽しい活動もたくさんありますが、学習という課題を避けては通れません


努力しているのに学習についていけない、困っていてもSOSを発信できない子どももいます。

学習面でも、発達特性のある子どもたちは、それぞれ個別の支援ニーズをもっています。


個々の発達特性に合った支援があれば...

 🟢「手伝ってもらって宿題を終わらせることができた」

 🟢「教えてもらったら勉強がわかった」

 🟢「がんばったことをほめてもらった」

...という、ささやかだけれど幸せな体験をたくさん積み重ねていくことができます。

 

苦手なことを無理に克服しようとする必要はありません。少しの努力でできそうなことなら良いですが、キャパシティ以上の無理を強いられる課題は、心身に不調をきたす原因になりがちです。「できる」にこだわると、子どもはしんどいです。

 

自分なりのペースでうまく学習と付き合っていくことが、のちの人生でとても役立ちます。୨୧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・୨୧

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