みのり日記~発達支援あれこれ~

支援が必要なお子さまとご家族のための発達支援室「こども発達支援みのり」

2021-01-01から1年間の記事一覧

最近接領域の課題を、誰とやる?

〜支援者を見つけよう〜 発達の最近接領域を提唱したヴィゴツキーは、子どもの発達は、子どもを周りで支援する人たちとの関係性によって変化し、もっている能力以上の成果を出すことができることを示しました。 わかりやすくいうと、自分ひとりだけで取り組…

お子さんの最近接領域はどこ?

「発達の最近接領域」とは、「自分ひとりだけで取り組むには難しいけれど、誰かの手助けがあればできそうなこと」でしたね。 その領域に該当する課題をクリアしていくと、お子さんにとって望ましい成長が見込め、効率のよい学習ができる...といわれています…

ヴィゴツキーの最近接領域

〜支援があればできそうな課題〜 お子さんの学習支援において、非常に重要な視点として、「学習課題の難易度と量」の問題があります。 今回は「学習課題の難易度」についてのお話です。 ロシアの心理学者、ヴィゴツキーの研究に「発達の最近接領域」という考…

愛着形成に有効な方法

〜今からでも遅くない!〜 「愛着」とは、子どもが親や保育者に対してもつ情愛的な絆のことをいいます。 そして、身近な特定の他者と愛着関係を築くことを「愛着形成」といいます。 今回は、愛着形成のためにどんなことが有効かをご紹介します。 今、子育て…

愛着は心の安全基地

〜愛着は世界への足がかり〜 「愛着」とは、子どもが親や保育者に対してもつ情愛的な絆のことをいいます。 そして、身近な特定の他者と愛着関係を築くことを「愛着形成」といいます。 子ども時代にいかにして愛着関係を築くかが、その後の人生において非常に…

健やかな脳を育むためには

〜大人たちのかかわりがとっても大切〜 発達段階にある子どもたちの脳は、周囲の大人たちのかかわりによって良い変化をもたらすと近年の研究でわかってきています。 人間の脳は、ゆっくりと時間をかけて成長し、発達していきます。 もっとも重要なのが、胎児…

愛着形成は、とても大切!

〜思春期も愛着が不可欠〜 今、支援の現場では「愛着形成」が注目されています。 愛着とは、イギリスの精神科医であるボウルビィが確立した愛着理論で提唱された概念です。愛着は、子どもが特定の他者(親や保育者)に対してもつ情愛的な絆のことをいいます…

レディネスが整っていない課題...?

〜あなたのお子さんは大丈夫?〜 「レディネス」は「準備性」という意味の心理学のことばです。 スキルを獲得したり、学習課題に取り組むときに、発達段階としての準備が整っているか...ということが「レディネス」です。レディネスが整っていると、学習の習…

レディネスって何? 〜発達や学習の準備性〜

「レディネス」は、発達心理学で使われる「準備性」という意味のことばです。 特に子どもの発達や学習の場面で使われます。 スキルを獲得したり、学習課題に取り組むときに、対象のお子さんに発達段階としての準備が整っているか...ということが「レディネス…

ポジティブになれない時は

〜マインドフルネスや認知行動療法〜 ポジティブなマインドセットは、ポテンシャルを高め、目標を達成したり、ステキな未来を掴むなど、多くの恩恵を受けることができます。 これまでマインドセットをポジティブにシフトする好影響についてご紹介してきまし…

ポイントは肯定的なかかわり方

〜子どものQOLに好影響を与える〜 前回の投稿で、マインドセットをポジティブにシフトするための「肯定的なかかわり方」について紹介しました。 肯定的なかかわり方は、マインドセットをポジティブにするだけでなく、周りの人の生活の質(QOL:Quality of lif…

マインドセットをポジティブにシフトする方法

〜子どもさんへのかかわり方〜 「マインドセット」は、これまで経験したことや、受けた教育などから形成された価値観や思考パターン、心理状態、信念のこと。 知識や技能よりも、マインドセットがポジティブであるかどうかが重要であり、ポテンシャルや人生…

ポジティブなマインドセット〜

〜お子さんに好影響を与えるポジティブマインドセット〜 発達障害の子どもさんは、一度経験したネガティブな体験を、写真のように記憶していることがあります。 時にフラッシュバックして辛い思いを再びすることもあり、特性上、なかなか良い事象を上書きす…

マインドセットの影響力

〜家庭や親のマインドセットの影響〜 マインドセットは、その人のパターン化された思考や信念のことをいいます。 その人のマインドセットの状態がポジティブかネガティブかで、ポテンシャルや人生が大きく変わる!…と言われています。 マインドセットをポジ…

マインドセットって何?

〜好循環を起こす心のあり方〜 最近、ビジネスの世界で「マインドセット」という概念が脚光を浴びるようになりました。 「マインドセット」は発達支援の領域においても重要性が高いと、私は考えています。 * - - - * - - - * 「マインドセット」は和製英…

困った行動の対応策③ 〜お友達編〜

困った行動が起こりやすい場面、思いつきますか? それがわかれば、ひとまずその場面を作らないようにします。 今回は「お友達」編です。 ・特定のお友達との間で、よくトラブルを起こすのでしたら、そのお友達と距離を取るか、一緒になる場面を避けます。 …

困った行動の対応策② 〜困った行動はスルー〜

〜困った行動は「スルー」する〜 「学習」のお話をしましょう。 心理学における「学習」とは、学校の勉強をさす学習ではありません。 心理学での「学習」は、人々の日常的な行動、運動能力、課題解決など、経験を通して獲得される半永続的な行動の変化を意味…

困った行動の対応策① 〜買い物編〜

いろいろと困った行動があると思いますが、その行動が起こりやすい場所や場面など、心当たりはありますか? もし、それがわかれば、ひとまずその場所や場面を作らないようにします。 例えば、買い物に行った先でよくトラブルが起こるなら、お子さんを買い物…

困った行動が起こりやすい背景を探る

〜どんな場面でその行動は起こりやすいか?〜 いろいろと困った行動があると思いますが、その行動が起こりやすい場所や場面など、心当たりはありますか? もし、それがわかれば、ひとまずその場所や場面を作らないようにします。 例えば… 買い物に行ってる時…

困った子は「困っている子」

周りの人たちから見て、「困った子」といわれるお子さんがいます。迷惑だと思われて、敬遠する人もいるかもしれません。 でも、困っているのは周囲の人より、むしろ、「そのお子さん自身」だったりします。 ・発達特性のため、周りから期待される行動ができ…

タイマーを使う支援⑦

〜タイマーは子どもさん自身のために使おう〜 タイマーを使うのは、誰のためでしょうか? タイマーは子どもさん自身が自分で切り替えができるようにするためのツールです。 自己の特性とうまく折り合うためのツールとして使用しましょう。 タイマーを使用す…

タイマーを使う支援⑥

〜途中で焦りだすお子さんには臨機応変に〜 時間を気にするお子さんには、なるべくタイマーは使わない方がよいのですが、もし使うのでしたら、タイマーのスタートボタンを押す時、私の場合、できるだけゆっくりとした口調で… 「よぅぅいぃ〜、すたぁ〜と〜」…

タイマーを使う支援⑤

〜設定する時間は子どもと決める〜 設定する時間についても子どもさんと相談してみます。「◯分くらいならできそうかな〜?」など、こちらから提案してもいいでしょう。 子どもが自己の発達特性とうまく折り合っていくことが目標なので、大人が勝手に決めたこ…

タイマーを使う支援④

〜タイマーを使う主体は子ども自身〜 放課後デイサービスのようなところだと、いろんな種類のタイマーを置いてある事業所もあります。 ここでポイントなのは、子どもさん自身が「タイマーを選ぶ」ということです。 「タイマーを選ぶ」という行為は「タイマー…

タイマーを使う支援③

〈残り時間がわかる視覚タイマー〉 〜購入の際の注意点〜 タイマーの中には、残り時間がわかるタイプのものもあります。数字がわからなくても、見ただけでわかるので、とても便利です。 (ちなみに、右下のタイマーは音が鳴らないタイマーです) 視覚タイマ…

タイマーを使う支援②

〜タイマーの種類など〜 タイマーにもいろいろあります。 オーソドックスなキッチンタイマーのようなタイプや、文字が大きくてわかりやすいもの、最近では非接触で止められる便利なタイマーもありますね。 タイマーは、時間を設定する時に「ピコピコ、ピコピ…

タイマーを使う支援①

〜タイマーが合うお子さまかどうか〜 支援方法として、よく「タイマーを使う方法」が挙げられています。 タイマーはうまく使うと勉強や活動、お片付けなどがスムーズに進むので、とてもいい支援ツールです。 でも、ここで注意しなければならないのは、タイマ…

発達に課題があるお子さまの学習支援

〜個別学習がおすすめ〜 発達に課題があるお子さんの場合、個別学習がおすすめです。 集団や少人数での学習にも、もちろんメリットはありますが… ・お友達と楽しく学習できる・仲の良い相手だと、リラックスして取り組める。・相手を意識して競う気持ちが働…

心を育てるために

〜自分の気持ちに丁寧に意識を向ける〜 子どもの心を育てるためには、自分がどう感じているかに気づくことが大切だといわれています。 しかし、発達に課題のある子どもさんは、本当の自分の気持ちに気づきにくい特性があります。 安心できる環境において、支…

なぜ、学ぶことが必要なのか…?

〜生きる力を育むために〜 支援が必要な子どもにとっても、それぞれの子どもに合った学びで、知識や技能を身につけ、考える力や伝える力を育てることはとても大切です。 「教育」の語源はラテン語の「外に導き出す」ということばに由来すると言われています…