みのり日記~発達支援あれこれ~

支援が必要なお子さまとご家族のための発達支援室「こども発達支援みのり」

2021-01-01から1年間の記事一覧

フリーオペラント型ABAとは

〜より自然な療育のスタイル〜 応用行動分析は、発達障害のお子さんの臨床現場でよく活用されているのがABA(応用行動分析)です。 ✴️ABAは... 人の行動の前と後にどういったことがあったのかを調べ、 問題が起きる背景を探ったり、 何の目的でその行動を起…

発達障害の診断名って、何で呼び方が少しずつ違うの?

〜何で呼び方が少しずつ違うの?〜 発達障害などを扱う日本精神神経学会は、2014年5月に「DSM-5 病名・用語翻訳ガイドライン」を作成した際、児童青年期の疾患などについて、「障害」を「症」へと診断名を変更しました。 ✴️例えば、発達障害だと下記のように…

モデリング 〜自閉スペクトラム症のお子さんの場合〜

〜モデリングとは〜 モデリングは、「学習」の方法の1つです。人は他人の行動を真似して学びます。このことを心理学では「モデリング」といいます。人は、自分が褒められたりして「直接強化」されるより、モデリングによって間接的に強化される「代理強化」…

モデリング 〜他者の行動を真似る学習〜

〜他者の行動を真似る学習〜 モデリングは、「学習」の1つです。「モデリング理論」は、カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱しました。他人がしている攻撃行動を目にする(観察する)ことによって、その様子を見た人にも同じ行動が促進されるこ…

「合理的配慮」って何⁉️

〜特性に合わせた支援についての法律〜 ✴️2016年から施行されている「障害者差別解消法」をご存じですか?正式名称は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」です。 内閣府の資料 https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/gouriteki_hairyo/pr…

計算の時に指を使うんだけど...⁉️

〜大丈夫です安心してください❣️〜 この時期、小学校に入ったばかりのお子さんがいらっしゃる親御さんからよく聞かれる質問があります。 「うちの子、算数の時、ずっと指を使って計算してるんですけど、大丈夫でしょうか❓」 結論から言うと、概ね大丈夫です❣…

その宿題は学習か作業か⁉️

〜上手に手を抜く?方法⁉️〜 お子さんたちの宿題、毎日たくさん出て、大変ですね特に、発達特性のあるお子さんの場合、なかなかスムーズに進まない...ということがあります☝️ ⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒ ☝️まず、宿題を分類してみます よく考えて取り組まないとでき…

学習性無力症とは

〜失敗体験が続くとヤル気をなくす〜 よく「学習性無気力」といわれることがありますが、正式な表現は「学習性無力感」といいます。「学習性無力感」とは、心理学者セリグマンが犬を使った実験から明らかにした現象です。人を対象にした同様の実験からも、同…

漢字のとめ、はね、はらいって重要⁉️

漢字の「とめ」「ハネ」「はらい」に悩んでいるお子さん、保護者の方は多いと思います。特に、漢字は毎日宿題に出されますし、テストもあります。気にしないようにしたくても、ノートに赤ペンで直しをされたり、テストの点数が悪いと気になってしまいます と…

ABAから考える逃避行動〉 〜宿題をしたくない子の行動〜

〜宿題をしたくない子の行動〜 ABAでは、問題行動の目的は4つだと言われています。 (以前の投稿を参考にしてくださいね) ①人・モノ・活動の獲得(要求の獲得)②逃避③承認・注目の欲求④感覚刺激 今回は、②逃避についてのお話です。 ⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒✳️宿題…

ABAから考える 〜要求を獲得するために暴れる子〜

〜要求を獲得するために暴れる子〜 ABA(応用行動分析学)では、まず問題行動の原因を探ることが肝要だといわれています。 問題行動のほとんどは、主に4つの目的のために生じています。 ①人・モノ・活動の獲得(要求の獲得) ②逃避 ③承認・注目の欲求 ④感覚…

ABAから考える、問題行動の「目的」

〜子どもの問題行動の目的は4つ〜 ABA(Applied Behavior Analysis:応用行動分析学)は自閉症や発達障害のお子さんの問題行動を改善するのによく用いられます。 ABAプログラムでは、まず問題行動の原因を探ることが肝心です。 ⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒ 実は、問題…

緘黙(かんもく)の子どもたち

〜見落とされやすいおとなしい子〜 緘黙(かんもく)は、選択性緘黙、場面緘黙とも呼ばれています。ICD-11からは「場面緘黙」が正式な和名になるようです。場面緘黙の人は0.5%いるといわれており、女の子のほうがやや多いと考えられています。 ⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒…

発達障がいと「注意」⑧

〜転換性注意の困り感と支援〜 「転換性注意」とは、複数の情報処理を切り替える注意機能のことです。いくつかの情報の処理を切り替えながら、交代におこなうときに使われるのが転換性注意です。 ⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒ 発達特性のあるお子さんは、注意の転換(…

発達障がいと「注意」⑦

〜分割的注意の困り感と支援〜 「分割的注意」はいくつかの作業に対して、それぞれ注意を分配する機能です。いわゆる「マルチタスク」を遂行するための注意で、私たちは普段無意識のうちにこなしているのです。 例えば... 音楽を聴きながら運転する 電話の通…

発達障がいと「注意」⑥

〜選択的注意の困り感と支援〜 発達障害のあるお子さんへの支援には、「注意」の仕組みを知ることが重要です。「注意」の意味については、過去の投稿をご参考になさってくださいね 今日は「選択的注意」の視覚に関する困り感と支援についてのお話です。 ⌒*⌒*…

発達障がいと「注意」⑤

〜選択的注意の困り感と支援〜 発達障害のあるお子さんへの支援には、「注意」の仕組みを知ることが重要です。 「注意」の意味については、過去の投稿をご参考になさってくださいね 今日は「選択的注意」についてのお話です。 * - - - * - - - * 〜選択的…

発達障がいと「注意」④

発達障害のあるお子さんへの支援には、「注意」の仕組みを知ることが重要です。 「注意」の意味については、過去の投稿をご参考になさってくださいね 今日も「集中的注意」のについてのお話ですが、今回は「集中しすぎる注意」についてご紹介します。 * - -…

発達障がいと「注意」③

〜集中的注意に関する支援〜 発達障害のあるお子さんへの支援には、「注意」の仕組みを知ることが重要です。 心理学での「注意」は、目や耳、鼻、舌、皮膚などの感覚器官からの情報を処理する機能のことをいいます。 「注意」は主に4種類に分類されると、前…

発達障がいと「注意」②

発達障害のあるお子さんへの支援には、「注意」の仕組み知ることが欠かせません。 心理学での「注意」は、目や耳、鼻、舌、皮膚などの感覚器官からの情報を処理する機能のことをいいます。 * - - - * - - - * 〜主な4つの注意の機能〜 「注意」は、その特…

発達障がいと「注意」①

〜「注意」は情報の処理に関する機能〜 「注意」とは、認知心理学で扱う概念で、私たちがいつも使っている「注意」とは少し意味が異なります。 心理学での「注意」の意味は、「情報の処理に関する機能」のことです。 人は常に、目や耳、鼻、舌、皮膚などの感…

宿題をスムーズに進める支援⑥

〜目で見て、耳から聴いて〜 今回は漢字の覚え方についてです! 前回、カラーガイドを使って、漢字をパーツで色分けするとわかりやすい...とご紹介しました。 カラーガイドと同時に、絵描き歌のように、ことばでパーツの説明すると、更に効果的だと言われて…

宿題をスムーズに進める支援⑤

〜複雑な漢字にはカラーガイドを使う〜 今回も書字の支援方法のご紹介です。 漢字の書字で苦戦しているお子さんは、わりと多いです。特に、見た目が複雑で、どこがどんな風につながっているのか判断しにくい字は、一見しただけでは難しいようです。 漢字の場…

宿題をスムーズに進める支援④

〜視写課題はお手本を近くに置いてあげる〜 今回も書字の支援方法のご紹介です。 発達特性のあるお子さんは、ワーキングメモリの問題などで、目で見たものを一時的に脳に保持する機能が弱い場合があります。「見る=注目する」という力も弱かったりします。 …

宿題をスムーズに進める支援③

発達特性のあるお子さんは、宿題をスムーズに進めるのが難しい場合があります。 お子さんによって... ・国語は得意だけど算数は苦手 ・算数は得意だけど国語は苦手 . ..など、いろんなタイプのお子さんがいますよね。 今日は書字が苦手で、課題に取り掛かり…

宿題をスムーズに進める支援②

〜合間に別の活動を挟んで効率化!〜 宿題がスムーズに進まないお子さんの場合は、初めから合間に休憩を挟むことを伝えてから始めます。 そして、そのことを予定の表に記入します。予定表は手書きでも全然大丈夫です。ホワイトボードなどを利用してもいいと…

宿題をスムーズに進める支援①

〜取り組む順序を子どもが選択する〜 小学生の宿題の量、わりとたくさんありますよね。 大人から見ても偉いなぁと思います。 今回は宿題への取り掛かりが難しいお子さんの学習支援のお話です。 * - - - * - - - * まず最初にやるのは、予定を立てて見通し…

切り替え上手になる支援③

〜「いつもの流れ」を作っておく〜 切り替えをうまくできるようにする別の方法は、生活のなかに「いつもの流れ」を作っておくことです。 「何時になったら、何をする」とか「○○が終わったら、△△をする」というルーティンができていれば、動きやすくなります…

切り替え上手になる支援②

〜予定を付箋に書いて渡す〜 発達障害のお子さんは、聴覚情報の保持が得意でないお子さんが多いです。ことばだけの指示だと忘れやすかったり、都合の良いワードしか入っていなかったりします。 何度も同じことをクドクド言うと、言う側は疲れます。 聞いてい…

切り替え上手になる支援①

〜予定を「見える化」する〜 取り組んでいる活動を、気持ちよく切り替えて、気持ちよく終われるようにするには、わかりやすく見通しを示すことが必要です。 例えば、「早く宿題を済ませて欲しい」と思ったら、「宿題を済ませるとおやつがある」とか、「ゲー…